【革靴の磨き方】鏡面磨きの仕方(ハイシャイン編)【その②】

手入れ

今回は靴磨きの第二段ということで、ハイシャイン(鏡面磨き)の方法について書いていきたいと思います。

ハイシャインを行うことで靴はより格好良くなるだけでなく、傷の付きやすい爪先や踵の部分を保護する効果もあります。

また、ハイシャインした靴はドレッシーになるので、結婚式やパーティーに参加する際には是非とも行っておきたいテクニックになります。

一口にハイシャインといっても様々な方法やテクニックがありますが、今回は私が行なっている一般的な方法をご紹介したいと思います。

必要なものは少なく、シューポリッシュと呼ばれる油性ワックスと水、そして磨き用の布だけになります。

今回は私の所有する中で最もドレッシーな靴である、チャーチのコンサルを磨いていきたいと思います。

チャーチのコンサルについての記事はこちら⇒チャーチのコンサル【王道のストレートチップ】

ハイシャインの前準備

ハイシャインの前には、あらかじめ基本的な靴の手入れ(汚れ落とし~乳化製クリームによる保革)を行なっておくことが好ましいです。

まず、汚れがある状態でシューシャインを行うと、埃の上から靴を擦り傷を付けてしまったり、汚れの定着を促すことになってしまう恐れがあります。

また、シューシャインではワックス層を革の表面に作ってしまうので、革の乾燥に気付かなくなったりする恐れがあります。

さらにワックス層は固く革の形状変化時に負荷をかけるので、革の状態が悪いままシューポリッシュを行なうことで靴の寿命自体を縮めることになりかねません。

上記の手入れを済ませた状態のコンサルです。この状態でも乳化性クリームによって、美しいツヤが出ています。

ここまでの流れは前編の記事に記載していますので、よろしければ参考にして下さい。

【前編】基本的な革靴の手入れについてはこちら⇒基本編】革靴の磨き方【その①



ワックスを塗る

まずはワックスを指に取り、靴の光らせたい部分に塗っていきます。

今回は、油性ワックスの王道KIWIのパレードグロスを用いていきます。

このワックスは比較的簡単に光ってくれるので、初心者の方にもオススメです。

ワックスは表面を軽く撫でる程度の力で取り、靴の表面に乗せる様にして塗ります。

ワックスを塗るのは、爪先と踵、そして爪先と踵を繋ぐサイドの部分になります。

割れを防ぐためにもワックスを屈曲部には塗るのを避けた方が良いと思います。

また、ワックスの塗りすぎは通気性を損ねることにも繋がりますので、要注意です。

目安としては、履き皺の入っていない箇所、芯の入っている箇所に塗るのが良いかと思います。

水をたらす

ワックスを塗った表面に水を一滴ほどたらします。

この後、塗ったワックスを薄く均一に伸ばしていくことで光沢を得ていきますが、ここで重要になるのがこの一滴の水になります。

ちなみに理由ですが、ワックスは油なので水と混ざらない性質を持っています。

そのため、布に水分があるとワックスは布に取られることなく、靴表面に均一に伸びやすくなります。

また、多少濡れることにとって摩擦を軽減し、ワックスをスムーズに塗り広げることが出来ます。

この際たらす水は、多すぎると革がふやけてワックスが乗らなくなり、少なすぎるとワックスが伸びなくなるので適量を見極めるのには慣れが必要です。

また、直接ワックスを塗った面に水をたらす方法の他に、ハンドラップなどを用いて布を直接濡らす方法がありますが、最初は適量が掴みにくいので個人的にはおすすめしません。

(ハンドラップのような小道具をうまく使いこなすとかっこいいです!)

ちなみにハンドラップはカメラのレンズを磨く時に、液体を少量ずつ出して使うための道具です。

布を用いて磨く

ネル生地や微起毛の布を用いて磨いていきます。

今回はN.モウブレィのポリッシンググローブを用いて磨いていきます。

始めの内は、こういったミトンタイプの方が力加減がしやすいように感じます。

前述の通り、布に水をつけた状態を維持することが綺麗な鏡面磨きのコツの一つになります。

また、磨く強さはゴシゴシといった感じではなく、少し強めに撫でるような感覚で十分です。

この時に踵やサイドなどは一緒に磨くことで、ムラなく綺麗に仕上がります。

一回磨きを終えた状態です。まだまだ鏡面には程遠い状態です。



作業を繰り返す

【2.ワックスを塗る】〜【4.布を用いて磨く】までの作業を繰り返していきます。

これらの作業は繰り返すほどにツヤが出るので、自分が満足できるまで繰り返します。

(私は一箇所につき10回〜20回程度を目安にしています。)

また、ロウ成分などで布が滑りにくくなってくるので、繰り返すごとに使用する面を変えることをオススメします。

仕上げの磨き

最後に水だけを用いて仕上げの磨きを行います。

この時も布の綺麗な面を用いて、一定方向に磨いていきます。

以上で作業は終了になります。

完成

右足だけ完成した写真になります。

写真だとわかりにくいですが、右足のトゥには照明の光の形がくっきりと映っているのが分かるかと思います。

シューシャインについては私も修行中ですが、トゥに人影が映る程度までツヤが出たらひとまずは成功であると思います。

(実際に間近で見るとムラなどがあり、まだまだ腕が足りていません…。)

最後に

ハイシャイン自体は中々時間がかかりますが、やはりそれだけの効果は得られると思います。

鏡面磨きを施した靴は見ているだけでも気分が上がりますし、気持ちがいいものです。

また、今回紹介した方法はほんの一例であり、ハイシャインという作業そのものにも様々な方法を模索する楽しみがあると思います。

特に近年では靴磨きのコンテストも開かれるようになり、非常に奥の深い世界となっています。

私も少しでもう上達できるよう、地道に練習を重ねていきたいと思います。

(やはり黒のストレートチップは鏡面磨きを施すことで、特に魅力が引き立つと思います。)

 

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