先日ご紹介したM1400に続いてまたまたニューバランスネタになりますが、今回新たにニューバランスのM1500を購入したのでご紹介させて頂きたいと思います。
かねてより、そのスタイリッシュなデザインから気にはなっていたモデルであったのですが、試着をしたところその履き心地に感動し即購入に至りました。
また、現在このM1500はアメリカブランドのニューバランスの靴でありながら、紳士靴の本場であるイギリスで製造されており独特のオーラがあるモデルであると思います。
(発売当初はアメリカ製だったようですが量産し続けるのが難しく、現在は復刻という形でイギリスで生産されています。)
ニューバランス(Newbalance)のM1500と搭載されるミッドソールテクノロジーについて
洗練されたデザインと上質な履き心地が魅力のM1500
高機能スニーカーの代名詞であるニューバランスですがそのモデルは多岐に渡っており、一見するとモデル選びが難しく感じるかもしれません。
しかし、ニューバランスでは品番毎にスニーカーのテイストが決まっており、モデル名からどのようなスニーカであるかがある程度分かるようになっています。
今回ご紹介するM1500はニューバランスの中でもフラッグシップシリーズにあたる、1000番台であり開発時の最高の技術で作られたスニーカーになります。
M1500は伝説のスニーカーM1300の誕生から4年後の1989年に誕生したスニーカーであり、1000番台としてはM1300、M1400に次ぐ3代目のモデルになります。
(技術的な問題で販売はM1400よりもM1500の方が先になっています。)
1000番台のスニーカーは基本的にはロードランニング用に開発されたモデルになりますが、M1500から方向性が大きく変化しています。
(所有するM1400と比較するとつま先がシャープになっていることが分かります。)
前述のM1300とM1400ではソールのパターンがゴツゴツしており(ブロックパターン)、木型(ラスト)も悪路で足が動くこと考慮した幅広のSL-2が採用されています。
これは大定番のM576を代表とするトレイルランシリーズである500番台に近い仕様であり、ある程度の未舗装路にも対応するための措置であったことが伺えます。
しかし、このM1500からよりコンクリートやアスファルト上を走ることを重視したソールになり、木型もよりシャープでフィットするSL-1を採用しています。
これはM996を代用とするロードランニング用の900番台に近い仕様であり、時代が進んだことにより舗装路に特化したものとなっています。
また、デザインにも大きな変化がありNマークが小さな刺繍へと変化し、靴そのもののボリューム感も増したことによりハイテクで都会的な印象へ仕上げられています。
M1500に搭載されるミッドソールテクノロジーについて
ニューバランスの快適な履き心地は高度な技術によって形成されたミッドソールによるものが大きく、その技術は年を追う毎に進歩しています。
そして、M1500ではENCAPとTPUヒールスタビライザーを内蔵した一体成型のミッドソールが採用されており、今回はその技術についてご紹介したいと思います。
ENCAP(エンキャップ)
ENCAPはEVA(ポリエチレンビニルアセテート)をポリウレタンで包むような構造をしています。
軽く安定性のあるEVA素材を柔軟性の高いポリウレタンで包むことで、軽やかでクッション性のある履き心地を得ることが可能になっています。
素材の特性についてですが耐久性としてはEVA>ポリウレタンであり、ポリウレタン素材は経年で加水分解を起こしボロボロになってしまいます。
そのためニューバランスのスニーカーでENCAPを採用するモデルは、遅かれ早かれ加水分解を起こす運命にあります。
良質な履き心地のためなので仕方がないですし、モデルによってはソール交換も可能なので良心的ではあるかと思います。
TPUヒールスタビライザー
TPUヒールスタビライザーはその名の通り、TPU素材でヒール(踵)部分を立体的に成型した構造を指します。
TPUはウレタン樹脂とも呼ばれる素材であり、ゴムのような弾力と硬質プラスチックのような強靭さを両立しています。
そのため、TPUヒールスタビライザーが搭載されることにより踵が立体的にホールドされ、安定性の高い履き心地を実現します。
私の所有するニューバランスのM1500(New Balance)のご紹介
基本情報
Brand:Newbalance
Model:M1500UK G
Size:27.0cm(US9.0Ⅾ)
私の所有するM1500は開発当初からの定番である、グレーのシンセティックレザーとメッシュのコンビのモデルになります。
最初はシンセティックレザー(ある種の合皮)であることが納得できず、他素材のモデルを試着しに行きました。
(現在、2番目に発売されたチャコールグレーではスムースレザーであったり、様々な本革のM1500が存在しています。)
しかし、この都会的なデザインに対してはやはりグレーが合うと感じ、このモデルを購入しました。
実際に見ると合皮といってもべっとりとしたような合皮とは異なり、質感が高くヌバックのような風合いがあります。
また、仕上げも非常に丁寧でありながらハンドメイド感のある仕上がりであり、イギリス製であることの所有欲を高めてくれます。
幅の細いラストに絶妙にハイテク感のあるデザインであり、様々なスタイルの服をスタイリッシュな印象でまとめられるかと思います。
アウトソールは様々なパーツが組み合わされた複雑なものですが、M1400のようなブロックパターンではなくなり溝は浅くなっています。
サイズ感(サイズ選び)について
サイズは27.0cm(US9.0D)で履き始めからジャストサイズといったサイズ感です。
購入の際にはニューバランスの銀座店にてサイズ測定をして頂き、ニューバランスの靴では26.5cmのワイズEEとの事でした。
ニューバランスジャパンではワイズDのみの展開であるため、標準幅の木型(ラスト)であるSL-1を採用するモデルではハーフサイズアップがオススメということでした。
(逆に幅広の木型であるSL-2では、26.5cmのワイズDでジャストである可能性が高いとのことでした。)
試着の際にも散々迷いましたが、26.5cmでは若干右足がキツく圧迫感を感じた上に、馴染みによる変化も大きくないとの事でしたので27.0cmを選択しました。
余談ですが、ニューバランスの直営店では3Dスキャンによるサイズ測定を実施しており、足のサイズだけでなくくるぶしの位置なども測定する事が可能です。
そして、それらの情報を元に自分の足に合ったシューズを提案して頂けます。
履き心地について
最初に述べたようにこのM1500は私の足にも合っているようで、非常に履き心地がよく感動を覚える程でした。
具体的には柔らかさの中に程良いホールド感があり、歩く際に自然と足が前に出るような感覚があります。
そして、柔らかさの種類は以前ご紹介したM1400と全く異なり、M1500では足全体をクッションで包まれている上でその外側にしっかりとした芯があるような形です。
この芯のあるような感覚は革靴のような安心感や安定感に繋がっており、着地の際のねじれを少なくしてくれているように感じています。
また、先述のTPUヒールスタビライザーにより踵周りのホールド感が増したことも、これらの安定感に寄与しています。
最後に
一見するとハイテク感があり着こなしが難しいと感じるM1500ですが、実際に履いてみると適度なボリュームに細身の幅によって絶妙な合わせやすさがあるモデルです。
また、クラシックなニューバランスが多く履かれている中で、違いを出すことも出来るので2足目のニューバランスとしても非常におススメです。
さらにその履き心地は最新のハイテクスニーカーにも劣らないものがあり、多くの面での満足度の高いモデルであると思います。
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