今回ご紹介するのはティンバーランドのイエローブーツこと、6インチプレミアムブーツです(以下イエローブーツ)。
知名度が高いため賛否両論ある靴ですが、靴そのものを見直して頂きたく、改めてご紹介させてもらいます。
ティンバーランドのイエローブーツについて
ティンバーランドと完全防水のレザーブーツ
引用;https://www.timberland.co.jp
ティンバーランドはマサシューセッツ州サウスボストンで創業したシューメイカーであり、創業時はアビントン・シューカンパニーという名前でした。
そして創業から約20年後、射出成型という手法を用いることで、世界で初めて完全防水のレザーブーツの発明に成功します。
このレザーブーツこそが、現在まで続くティンバーランドのアイコン、イエローブーツになります。
また、当時ティンバーランドとはこのイエローブーツを代表とする防水靴のブランド名であり、このブーツのヒットと共に社名も現在と同様にティンバーランドへと変更されます。
その後、ティンバーランドは発展を続け、今ではアウトドア系のウェアも展開するようになっています。
そしてその過程でイエローブーツは、ヒップホップ系やサーフ系を始めとするストリートファッションのアイコンとして、多くの人に親しまれるようになります。
イエローブーツに用いられる圧着製法とは
熱で溶かした樹脂を金属の型に注入することで靴底や靴全体を成形する方法です。
ティンバーランドでは成形したアッパーをソールの型に入れた状態で、樹脂を注入することでソールの形成と接着を同時に行なっています。
それにより、アッパーとソールの継ぎ目を無くし水の浸入を防ぐことで、完全防水を達成しています。
また、イエローブーツでは射出成型によってアッパーとミッドソールの成形までを行なっており、アウトソールはミッドソールへ接着する形で作られています。
(上の画像で、ソールがツートンカラーになっている事からもわかるかと思います。)
これにより、アウトソール部分だけを剥がすことが出来るため、ソール交換が可能となっています。
一方で廉価なモデルですと、ミッドソールとアウトソールまでが一体で成型されているのでソール交換が出来ないものもあります。
イエローブーツの仕様について
先述の通り、世界初の防水レザーブーツとして誕生したこのイエローブーツには、ソールの性能だけでなく様々な工夫があります。
アッパーには表側をヤスリがけし、起毛させたヌバック素材に防水加工を施したものを使用しています。
また、縫製が必要な箇所にはトリプルスティッチが施されており、高い強度と浸水防止の役割を果たしています。
そして濡れることを前提に、シューホールには防錆加工が施されています。
さらには内張の保温性も高く、外側濡れても足先が冷えることのないようになっています。
また、このイエローブーツは防水性などから登山靴だと思われがちですが、ワークブーツとして誕生しておりソールのグリップ力も高水準です。
(一方で山や林道でのハードな使用にはあまり向きません。)
日本におけるイエローブーツ
日本では大手靴量販店で集中的に取り扱われていることもあり、履いている人をよく見かける靴ランキングでも上位に入る靴であると思います。
そして、そのような状況から一部では学生やファッションに疎い人も履くイメージがつき、イエローブーツ、延いてはティンバーランド=ダサいといったイメージが広まってしまっているようです。
しかし、イエローブーツ単体としては完全防水な上に、保温性も高く、手入れも楽と非常に高いスペックを保有しています。
また、そのデザインの完成度の高さや色味の絶妙さもあり、唯一無二の魅力を持っています。
そしてイメージですが、これについても近年セレクトショップ等を中心に再評価の機運が高まっていますし、革靴全体の価格高騰も後押しになり、次第に払拭されていくのではないかと私個人は思っています。
(価格の高騰は全く歓迎出来ませんが…。笑)
何はともあれ、このイエローブーツは今こそフィルターを外して、改めて見つめ直して頂きたい靴であると思います。
私のイエローブーツのご紹介
基本情報
Brand:Timberland
Model:6 inch premium boots
Size:US8.0
この靴は学生時代に購入した物なので、我が家の靴箱の中でも古参に当たる靴です。
しかし、防水スプレーやブラッシングのお陰で、まだまだ綺麗な状態を保っています。
(ここ数年は役割をダナーライトに取って代わられているのが大きいのかもしれません。笑)
しかし、履き口のパッドの部分が少し加水分解(合皮製の部分)を起こし、ひび割れのような状態になってきています。
合皮用のクリーナー&保湿剤を用いたことで進行は抑えられていますが、いづれ修理に出そうかと思っています。
履き心地
インソールのクッション性や履き口のパッドなどにより、スニーカーに近いような快適な履き心地です。
また、その防水性能は流石の一言ですが浸透性はないので、ゴアテックスを採用するダナーライト等と比較すると蒸れを感じることはあります。
しかし、価格を考えると靴としてのコストパフォーマンスはまだまだ高いものと思います。
サイズ感について
US8.0で全くストレスがなくジャストフィットです。この靴はグッドイヤーウェルト製法の靴などとは異なり、インソールが沈んだりすることはありません。
またイエローブーツでは、幅が標準幅のMワイド幅のWがありますが日本ではW幅が基本であり、私のモデルもW幅です。
(ネットなど並行輸入品を購入する際には注意が必要かもしれません。)
なのでサイズ選びの際には、試着した際に緩すぎず気持ちいいホールド感がある程度のサイズを選ぶことをおすすめします。
最後に
定番が定番故に、不遇な扱いを受けている例がこのイエローブーツであると思います。
しかし、定番であり続けているこの靴には、やはりそれだけの魅力があります。
個人的には特にモード系の外しや、ミリタリー系のオリーブグリーンと合わせると良い雰囲気が出ると思います。
コメント