私の所有する靴の中で、最もタフな使い方をしてきた靴を紹介したいと思います。
それは、アメリカはポートランドのシューメイカーであるDanner/ダナーのアイコンモデルであり、完全防水ブーツの代名詞とも言える名品ダナーライトです。
アメリカの老舗シューメイカーのDanner/ダナーとその名作ダナーライトについて
アメリカのクラフトマンシップを体現するシューメイカーであるダナー(Danner)について
引用;https://store.stumptownjapan.com/shop/c/c20/
ダナーは1932年アメリカのウェスコンシン州チペワフォールズにて、「可能な範囲の中で最も優れた靴を作る」というポリシーのもと設立されます。
当時アメリカは恐慌の中にあり、労働者へと向けた高性能なワークシューズを低価格で提供することからダナーのビジネスはスタートします。
その後、1936年には現在の本社があるオレゴン州ポートランドへと拠点を移し、太平洋岸で働く人々へ向けたワークシューズを販売します。
このワークシューズは「造船所の靴」と呼ばれる程の評価を得ることに成功し、ダナーもシューメイカーとしての地位を確立することとなります。
そして、1952年には現在多くの靴に採用されるビブラムソールの性能を一早く認め、アメリカで初めてビブラムソールを使用した靴を製造・販売します。
1960年代になるとアメリカ国内の登山・ハイキングのブームも手伝い、アウトドアブーツの制作を開始します。
その中で、ダナーのもう一つの代名詞であるマウンテンライトの原型となるマウンテントレイルなど様々な名品を生み出します。
そして1979年には、防水浸透素材として有名なゴアテックスを世界で初めて搭載することに成功します。
そのモデルこそが今回ご紹介する「ダナーライト」であり、今日ではダナーだけでなく防水ブーツの代名詞となっています。
世界初のゴアテックスブーツであるダナーライト(Danner Light)について
このダナーライトは前述の通り、ゴアテックスを世界で初めて靴に採用したことで有名な靴です。
また、当時は難しいと言われていたゴアテックスの靴への採用をゴアテックス社との共同開発によって成し遂げたことから、ダナーの高いクラフトマンシップを象徴するモデルでもあります。
その仕様は、アッパーには防水レザーにゴアテックスのライニング、ソールにはビブラムソールと発売当時においては非常にハイスペックなものとなっています。
また、アッパーの一部には特徴的なナイロンの切り返しもあり、ゴアテックスのライニングと合わせて蒸れの防止に役立っています。
私の所有するダナーライト(Danner Light)のご紹介
基本情報
Model:Danner Light
Size:U8.0EE
Used:4years
Made in USA
この靴は豪雪地帯へ移住した最初の年に購入しており、冬のオシャレといえばほぼこの靴という形で4年ほど酷使してきました。
また、その防水性から、雪かきなど本当のアウトドアでも使用しているため、全体的に傷が目立ちます。
そして、そのような過酷な環境下でも機能に偽りはなく、マイナス10℃でもそれなりの暖かさがあり、履き口以外からの浸水も経験したことはありません。
ただし、濡れたコンクリートや凍った路面では比較的滑りやすいソールのため、注意が必要かと思います。
(ぬかるんだ未舗装路などに適したソールのため、アウトドアでは言うことなしのグリップ力を発揮します。)
また、個人的に素晴らしいと思うのはそのデザインです。
クラシカルな革の一部にナイロンが取り入られられていることにより、王道のアメカジアウターから、ハイテクなマウンテンパーカーやダウンジャケットにも違和感なく取り入れらる懐の深さがあります。
サイズ感(サイズ選び)について
サイズ感としては、サイズUS8のワイズEEで甲の部分に若干の余裕があるといった形です。
(日本で流通しているダナーライトは、幅広の足の多い日本人に合わせてワイズEEが基本となっているようです。)
具体的に言うと薄手のインソールを入れるか、厚手の靴下でジャストと言った履き心地です。
とは言っても、アウトドアブーツやマウンテンブーツとしてはこの様なサイズ感で問題ないと思っています。
ワンサイズ下のUS7.5EEでは捨て寸が若干足りなかったため、存在するならばUS8.0のワイズEがジャストなのかもしれません。
余談ではありますが、このブーツはコルク等の沈み込みのあるグッドイヤーウェルト製法ではないので、革がなじむ程度で購入時のサイズ感から変化はありません。
(ダナー式スティッチダウン製法という特殊な製法ですが、ソール交換は可能なのでご安心を。)
そのため購入の際は、試着した時のジャストサイズを購入することをおススメします。
アッパーの革質について
これはダナーファンの中では有名ですが、現在のダナーライトのアッパーは防水レザーということで合皮の様な質感なのが少し残念です。
傷も革についた傷というよりも、ビニル素材が削れた様な跡になってしまいます。
しかし、乳化製クリームなどは浸透する様で、手入れ後には革らしい変化を見せてくれます。
また、傷跡もある程度補色することが可能なので、機会があればご紹介したいと思います。
一方で、初期のダナーライトはオイルの染み込んだ、風合いの良い革だったそうです。
この初期のダナーライトの復刻が一昨年くらいにあり非常に魅力的だったのですが、2足目を買う勇気がなく…現在では非常に後悔しています。
今ならばこのダナーライトがやれてきてるので、ストックということにして購入してしまうと思います。
派生モデルについて
歴史の長い定番モデルだけあり、ダナーライトには様々な派生モデルがあります。
まず代表的なのは、ダナーライトⅡやダナーライトⅢというモデルで、アッパーの革の切り返しとナイロンの形が無印とは異なっています。
また、ダナーライトⅡにはセダーレインボーという赤みのかかったシグネチャーカラーがあり、非常に興味をそそるモデルとなっています。
さらには、ダナーライトのアッパーのナイロン部分がスエードやケブラーへと変更になったエクスプローラーやケブラーライトなど様々な魅力的なモデルがあります。
定番のダナーライトもよいけど、他人とは少し違ったモデルが欲しいといった方に非常におすすめです。
引用;https://img.abc-mart.net/img/goods/C/57053600011.jpg
そして、近年新たに発売されて注目を浴びているのが、こちらのダナーフィールドというモデルです。
このモデルは生産国をアジアに移し、細部を変更しただけでゴアテックスやビブラムソールはダナーライトと共通です。
しかし、驚くべきはその価格であり、なんとダナーライトのほぼ半額となっています。
デザインもほぼ共通なので、予算によってはこちらも検討してみても良いのではないでしょうか。
最後に
このダナーライトは雨や雪などの悪天候において私が一番信頼を寄せている靴であり、機能性とデザインのバランスが最も優れているブーツの一つであると思います。
少々価格は高いですが一足持っていると、悪天候の際にもテンションを下げることなくオシャレを楽しむことが出来るので非常におすすめ一足です。
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