【3Aランバーカーディガン】インバーアラン(Inverallan)のアランニットのレビュー【最高峰のハンドニットの魅力】

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今回は先日アメ横散策中に運命的な出会いがあり、購入に至ったニットをご紹介したいと思います。

それは、国内で手に入るローゲージニットの中でも最高峰といっても過言ではない、インバーアランのアランニットです。

最高峰のハンドニットブランドであるインバーアラン(Inverallan)とその定番であるアランニットについて

インバーアランの歴史とハンドニットについて

引用;https://www.hunkydory.jp/?mode=cate&cbid=2347498&csid=0&sort=n

1975年にスコットランドで創業した、アランニットを初めとしたハンドニットを得意としたファクトリーブランドです。

職人とも言えるニッターが手で編むハンドニットは独特の魅力がありながら、その生産性の悪さや管理の難しさからファッション用としては安定供給が難しいものでした。

そこで、インバーアランではスコットランド内の約3000人の優れたニッター集め、ニットの原料となる「糸」の種類や調達ルートを明確にすることで、品質を落とすことなくハンドニットを安定供給することに成功します。

(インバーアランでは今日でも伝統的な手法に則り、非常に複雑な工程でハンドニットを製造しているようです。)

インバーアランのハンドニットは、1人のニッターが、少なくとも25,000ステッチからなる1枚のニットを約90時間かけて編み上げます。

よって納期については、糸の調達から最終の出荷までで、通常は約6ヶ月かかるものです。

オーダーの内容=難易度に合わせて、適切なニッターが、糸とニッティング・パターンにもとづき製品化します。

引用;インバーアランの日本における正規代理店イットデヴィジョン様より

この高品質なハンドニットの生産体制は、世界的なブランドである「ラルフローレン」の目に留まることとなり、インバーアランは同ブランドのアランニットのOEM生産を手掛けることとなります。

その後、ラルフローレンのOEM先がアジア諸国へ変更になるにつれて、インバーアランにとラルフローレンの関係は解消されます。

しかし、その高い品質を日本のセレクトショップなどが注目し、インバーアランというブランドそのものが認知されるようになっていきます。

現在では、日本におけるハンドニットおよびローゲージニットの最高峰ブランドとしての地位を確立しており、ハンドニットの他にも機械編みのシェットランドニットなども販売するようになっています。

インバーアランの大定番となっているアランニットついて

その起源等には諸説がありますが、アランニット(アランセーター)はアイルランドの西岸のアラン諸島の漁師の作業着として、その妻によって編まれたフィッシャーマンニットの一種です。

その最大の特徴は、北海の荒波に耐えうる防風・防水力を得るため未脱脂のウールが使用さていることと、アラン模様と呼ばれる特長的な編み込み模様が施されていることです。

特にこのアラン模様は自然をモチーフにした様々なパターンがあり、さらにはそれが各家々で異なることで家紋の様な意味を果たしていたと言われています。

そんなアランニットですが、そのデザイン性に注目したのがクリスチャン・ディオールであり、その後多くのファッショニスタに愛されることになります。

(中でも有名なのが名優スティーブ・マックイーンのこの一枚なのではないでしょうか。₎



インバーアランとそのアランニットについて

インバーアランのアランニットはアラン諸島、さらにはアイルランドで編まれたものでもないので、アランニットと呼ばないのが正確かもしれません。

(インバーアランのアランとアラン諸島のアランは綴りも異なります。)

しかし、インバーアランは日本で購入可能なアランニットの中では最上級の品質であることは間違いなく、未脱脂のウールやアラン模様についても本家アランニットと同様のものを使用しています。

そもそもアラン諸島のような狭く限られた地域から、日本に安定的にハンドニットを供給することは難しいかと思います。

インバーアランの生産国について

インバーアランに興味のある方にとって、1番の関心がこの問題かと思います。

現在インバーアランでは、熟練ニッターの高齢化とイギリスの最低賃金の高騰により、従来のスコットランド製のハンドニットの供給が難しくなっているそうです。

これはここ数年に渡って言われてきたことですが遂に限界が来たようで、2018年以降のハンドニットは全てインド製になるとのことです。

実はここ数年は既にスコットランドで1人のニッターが最後まで編むという形ではなかったようですが、仕上げ工程がスコットランドのため表記上はスコットランド製という状態でした。

今回インバーアランを購入したお店(正規店)で確認したところ、インド製になっても糸やボタンなどの部材と編みのパターンはこれまでと全く同じであり、品質は変わらないとのことです。

インドは長らくイギリスの植民地であったため、アジアの中では服飾の製造に長けた地域です。

そして、現在RRLを初めとして多くのブランドがインドに生産拠点を持っており、このことからも品質の面は安心しても良いものかと思われます。

実際にスコットランド製とインド製が同時に店頭に並んでいるのを見ましたが、私には違いは判りませんでした。

しかし、ロマンを考えると残念な気持ちになるのも確かであり、気になる方ももちろん多くおられるかと思います。

そのような方には、別ブランドにはなりますがアテナデザインのアランニットをおすすめしたいと思います。

妻が所有しておりますがアイルランド製の本格的なハンドニットであり、歴史も長くインバーアランと同等以上の銘品であると思います。

(価格もインド製インバーアランよりも若干お手頃です。)

私も近いうちに購入してしまいそうです。笑



私の所有するインバーアランのアランニット3Aランバーカーディガンのご紹介

基本情報

Model Deta
Brand:INVERALLAN
Model:3A Lumber Cardigan
Color:Navy
Size:38
私が所有するのはインバーアランのアランニットの中でも大定番に当たる、「3A」ランバーカーディガンと呼ばれるモデルになります。
また、合わせやすく色も多くのメディアで露出のある、大定番カラーのネイビーを選んでいます。
一般的にアランニットと言うとプルオーバータイプの白(ナチュラル)が定番であると思われる方も多いと思いますが、せっかくのインバーアランなのでブランドの定番である3Aを選択しました。
(インバーアランにおいても定番としてプルオーバータイプの1Aクルーネックニットがあります。)
また、非常に厚手なインバーアランはアウターとしての使用が多くなりそうであり、脱ぎ着が容易なカーディガンタイプの方が利便性が高く感じたことも大きな要因です。
タグは日本の正規代理店仕様の茶タグになります。
(海外仕様のインバーアランは緑タグ)
茶タグのものは正規代理店で修理等のアフターサービスを受けられるだけで、一部に言われているような緑タグのものと品質の違いはないそうです。
実際着用してみると厚手の生地は非常に暖かく、ダウンベストなどを合わせれば真冬まで耐えられそうな保温性があります。
そして、未脱脂のウール独特のツヤ感と重厚感のあるアラン編みの模様は存在感抜群であり、コーディネートの主役となるアイテムであると思います。
また、今回購入したものは昨年度入荷分の最後のスコットランド製表記のものであり、たまたまマイサイズ&欲しい仕様で運命を感じたためかなり無理をして購入しました。
実はこのインバーアランのアランニットは何度か購入を試みていたのですが、サイズやカラーの欠品により中々購入出来ずにいました。
今回様々な偶然によって手に入れることができたため、非常に愛着の湧く存在となっていくと思われます。

サイズ感(サイズ選び)について

171cm、65kgのやや筋肉質な体系で38サイズを購入し、ジャストフィットといった形です。

試着時には腕回り等は若干のテンションを感じましたが、インバーアランなどのローゲージニットは体系に馴染んで伸びてくるため本当にジャストなサイズかと思います。

インバーアランのニットはローゲージニットの中では珍しく、比較的すっきりとしたシルエットになっており着ぶくれもしにくく感じます。

また、ハンドニットはニッターの癖などによってもサイズ感が大きく変化するので、購入の際の試着は必須か思われます。

最後に

先述の通りインバーアランのアランニットは存在感がある上に合わせやすいので、ワードローブにあると非常に重宝するアイテムかと思います。

そして、ニットにしては非常に高額ではありますが、それだけ「人の手」によって作られたことによる魅力があり長く愛せるアイテムです。

また、着こむごとに風合いも増していく点も非常に魅力的ですので、迷っているならば早く手に入れて損はない一品であると思います。

(妻のアテナデザインと一緒に。両ブランドでアラン編みの模様が微妙に異なっていて興味深いです。)

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