今回は私の所有するアウターの中で、最もアメカジ向きで男臭い一品をご紹介したいと思います。
それは、バッファローチェックが特徴的なフィルソンの名作マッキーノクルーザーです。
フィルソンとその名作マッキーノクルーザーについて
アメリカのクラフトマンシップを体現するワークブランドであるフィルソン(FILSON)について
引用;https://www.frame.jp/filson/
フィルソンは100年を超える歴史を持つアメリカの老舗ブランドであり、1897年にアメリカの北部ワシントン州のシアトルで創業します。
当時、アメリカの北部であるアラスカからカナダにかけてはゴールドラッシュに沸いており、フィルソンはその採掘者へ向けた労働着や鞄などを製造販売を開始します。
これらの金鉱は大自然の奥深くにあり、気温も場所によっては-40℃以下にもなるような過酷な環境でした。
フィルソンはこの過酷な環境に対応するような高い強度と保温性を持つ製品を生産し、 当時の労働者から高い信頼を得ることに成功します。
このアメリカ北部の金は数年で採り尽くされ、フィルソンも一旦は多くの顧客を失います。
しかし、フィルソンはゴールドラッシュで培ったその技術を活かし、その地域の伐木作業者を中心とした過酷な環境に対応した製品を生産し続けます。
その結果、フィルソンの製品の高い信頼性と保温性はアメリカ北部の多くの労働者の知るところとなり、「フィルソンのロゴは信頼と同義である」と言われるほどの評価を得ます。
その後、フィルソンは労働者だけではなく高い品質を求めるアウトドア愛好家へ向けた製品を生産販売し、アメリカを代表するブランドの1つへと成長します。
また、フィルソンは創業当時から現在に至るまで品質に対するこだわりを貫いており、多くのメーカーが生産国を海外へ移す中でもアメリカ国内の熟練の職人による生産を続けています。
そのこだわりは原料にも及んでおり、最上級のウールやコットンなどの天然素材を中心に選び抜かれたものが使用されています。
「森のタキシード」と呼ばれる名品マッキーノクルーザーについて
このマッキーノクルーザーは、ハンティングやロガーなどの森林での作業向けに開発されたフィルソンを代表するアウターです。
特許が申請された1914年から50万枚以上を売り上げており、販売当時からマッキーノジャケットと呼ばれる多くの類似品が生まれる程の人気を誇るアウターでもあります。
そのあまりの人気から、森での正装ということで「森のタキシード」と呼ばれることもあったようです。
また、森の中でも目立つように大きなブロックを配した「バッファローチェック」の代表的なアウターであり、バッファローチャックはフィルソンのアイコンともなっています。
(マッキーノクルーザーには無地のものもありこちらも定番となっています。)
素材にはオレゴン州で採れるウールの中でも更に厳選された、「マッキーノウール」と呼ばれる上質なヴァージン(未脱脂の)ウールが100%用いられています。
このマッキーノウールは保温性が高いだけではなく優れた湿潤熱を持ち、ジャケット30%の重量の水分を含んだ場合にも不快な着用感与えないと言われています。
仕様としてはフロントは5ボタンで、腰の位置にはハンドウォーマーを兼ねたポケットがあり、ワークウェアとして高い利便性が確保されています。
そして、4つのフラップ付きのポケット加えて、背面にはハンティングの獲物や地図を入れる大きなマップポケットがあり、単体のアウターとしてはトップクラスの収納力を有しています。
また、より過酷な環境での使用に耐えうるため、胸より上がダブル仕様のダブルマッキーノクルーザーも存在しています。
(日本ではオーバースペックであり、重くサイズ感も難しいので中々見かけることは少ないです。)
私の所有するフィルソンのマッキーノクルーザーのご紹介
基本情報
Brand:FILSON
Model:MACKINAW CRUISER
Size:US36
Made in USA
フィルソンのマッキーノクルーザーにはオリジナルのフィッテイングと細身にモダナイズされたがものが存在していますが、私の所有するモデルはオリジナルのアラスカフィットと呼ばれるものです。
(細身の方はシアトルフィットと呼ばれています。)
また、従来マッキーノクルーザーは26オンスのマッキーノクロスが使用されていましたが、私が購入した頃より24オンスへと変更になり防寒性はやや低下しているようです。
とは言っても、本州で着用するには十分以上の防寒性能があり、真冬であってもネルシャツやシャンブレーシャツの上に羽織るだけで問題なく過ごすことが出来ます。
さらには、裏地のないウールのアウターのため浸透性が高く、軽く汗をかいた場合にも蒸れることは少なく快適です。
その反面、防風性能はそこまで高くないため、風が強い日などには冷えを感じる場合もあります。
着こなしとしてはワークシャツにチノパンやジーンズを合わせて、ワークブーツといった王道のアメカジがどこまでも似合うかと思います。
また、意外にもブレザーの代わりにアメトラな服装に合わせてもこなれ感があり、個人的にはアリです。
サイズ感(サイズ選び)について
マッキーノクルーザーにはSML表記とUSサイズが混在しているようで、私の所有するモデルはUSサイズの36になります(身長171cm、体重65kg)。
厳密にはややサイズが異なるようですが、SML表記のSサイズに相当するサイズ感になるかと思います。
サイズ感については非常にアメリカのワークウェアらしく、着丈に対して身幅(特に胸囲)と袖は非常に大柄な作りとなっています。
このマッキーノクルーザーはネットショップにて購入したのですが、本当に大きく袖口が手の指の第二関節付近にまで来ていました。
そのため、先人の方々の「儀式」を踏襲し、洗濯&乾燥機にてサイズを縮めて着用しています。
マッキーノクルーザーのサイズ調整(儀式)について
(2枚とも儀式後の着用画像です。)
家庭用ドラム洗濯機にて洗濯および乾燥を行っただけですが、身幅と袖(特に袖)が縮みほぼほぼジャストサイズにすることが出来ました。
(大きく縮ませたい場合は、コインランドリーなどでより熱のかかる業務用の乾燥機を用いるのがおすすめです。)
ただし、マッキーノクルーザーのようなウールの製品は濡らした上で熱を加えると、羊毛自体がフェルト状(縮絨)に縮んでしまい風合いが大きく変化するので注意が必要です。
実際私のマッキーノクルーザーにおいても購入時はややツヤのあるような滑らかな表面だったのが、メルトンのような乾いた柔らかい風合いへと変化しました。
しかし、実際の労働者達もこのような手法でウールのアウターを縮めて密度を上げ、防寒性を高めていたようなのでこれはこれでありかなと思います。
さらには、フィルソン自体もこのウォッシュドのマッキーノクルーザーを販売していたりもするので、最早公式の着方であるのかもしれません。笑
(洗濯マークとしてはドライのみになっているので、実行する場合は自己責任になります。)
また、欠点としては油分が抜けたことによりやや気抜けが激しいので、機会があれば油分の補給を行ってみたいと思います。
最後に
このマッキーノクルーザーはアメカジのど真ん中といった独特の風合いのあるアウターであり、男臭さが堪らない逸品です。
一方で、その派手なブロックチェックから敬遠されている方もいらっしゃるかと思いますが、意外と着られている感がなくすんなりと合わせられるので、一度袖を通してみることをおすすめします。
(ダブルマッキーノクルーザーは難しいと思います。)
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