ニューバランスのM1400(Newbalance M1400)のレビュー【日本人に愛された名作スニーカー】

Newbalance

このブログでは革靴を中心にご紹介してきましたが、今回は5年ほど愛用しているスニーカーであるニューバランスのM1400をご紹介したいと思います。

一時期のニューバランスブームの際に流行った靴でもありますが、デザインだけではない素晴らしい逸品です。

高機能スニーカーの代名詞ニューバランス(Newbalance)と名作M1400について

三大スニーカーブランドの1つニューバランスの歴史について

引用;https://item.rakuten.co.jp/acqueen/nb-jacl6220/

ニューバランスは1906年にアメリカのボストンで、足に不自由を抱える人へ向けた矯正靴を製造するメーカーとして創業します。

当時ニューバランスはアーチサポートという土踏まずを支えるような構造をした靴やインソールを開発し、大きな評価を得ていたそうです。

(現在もアーチサポートというと、オールデンのモデファイドラストなどが有名ですね。)

その後、1938年にはランニングシューズの製造を開始し、60年代に入るとそのランニングシューズのカスタムメイドも開始し多くのランナーからの支持を受けるようになります。

そして、ニューバランスの大きな転機となるのが1972年で、この年にニューバランスは同社の現会長であるジム・デービス氏によって買収されます。

デービス氏は非常にマーケティング力に優れた人物であり、この買収以後ニューバランスの知名度は飛躍的に向上していきます。

そのような中、デービスは様々なスニーカーを市場に投入していき、その中でも人気となったのが「320」です。

この320は最近復刻されたようで、非常にクラシックで服装を選ばず合わせやすそうです。

(値段も比較的手頃なので買ってしまうかもしれません…笑)

1982年には1000満点中990点の履き心地に達成したということから、M990と名付けられた名作スニーカーが発売されます。

さらには、その三年後の1985年には伝説となる名作M1300を発売し、ニューバランスはその履き心地で他の追従を許さない存在となります。

その後も同社は様々な名作モデルを生み出し、現在では「ナイキ」と「アディダス」合わせて世界三大スニーカーメーカーと呼ばれる程にまで成長します。

また、ニューバランスは多くのスニーカーメーカーがアジアで生産を行う中で、安定してアメリカの自社工場で生産を行なっていることが特徴的であると思います。

(ニューバランスでも新企画品や廉価な普及モデルなどはアジア生産です。)

さらには、紳士靴の聖地イギリスにも工場を持っており、近年にあってもクラフトマンシップに溢れた物作りがなされている印象を受けます。

また、一部のモデルではニューバランスジャパンにてソール交換を実施しており、スニーカーでありながら使い捨てでなく長く使用できる点も大きな魅力であると思います。



日本人に愛された名作M1400について

ニューバランスには様々なモデルが存在していますが、モデル番号で大きく靴の特性が決定されています。

その中でも1000番台は、ニューバランスにおけるフラッグシップにあたるラインナップであり、開発当時の最高の技術で作られたスニーカーになります。

(写真は今も購入が可能な復刻盤であるM1300CLSになります。)

引用;https://item.rakuten.co.jp/beef/nbm-s-054/

前述のM1300は1000番台初のスニーカーとして発売されると、その履き心地から大きな評判を生みました。

その履き心地は、ファッション界の巨匠ラルフ・ローレン氏にして「雲の上を歩いている様だ」と言わしめた程です。

この伝説的なM1300の後継としてさらなる技術を反映し、開発されたのが今回ご紹介するM1400になります。

しかし、開発されたM1400は当時の技術では量産するのが難しく、より後に開発されたM1500の方が先にリリースされることとなります。

その後技術が進み、1994年にM1400は発売が開始されると、その柔らかな履き心地で多くのファンを獲得します。

発売当初よりM1400は日本における人気が非常に高く、その後本国アメリカではJ.Crewが別注品を取り扱う様になり徐々に人気となった様です。

日本でM1400人気となった理由としては、M1500以降の1000番台のスニーカーでは「Nマーク」が小さく、ハイテク寄りなデザインとなっていたことが挙げられます。

そもそも、ニューバランスの靴は本国ではそのままランニングなどに使われることが多く、一方の日本ではファッション用の需要が大きいことが前提にあるかと思われます。

そのため、M1400はファッション性の高いクラシックデザインのスニーカーかつ、履き心地のよいスニーカーとしてアイデンティティを得ることになります。

また、M1400はニューバランスでも幅広な木型(ラスト)である、SL-2が採用されていることも幅広な日本人にあっていたことも大きな理由となっているかと思われます。

そんなM1400ですが、日本ではニューバランスの定番スニーカーとして長く愛されており、近年のニューバランスブームでも大きな人気を得ていました。

しかしながら、開発時からの問題でもありましたが量産時のコストなどの問題から、昨年度よりディスコン(廃盤)となってしまっているようです。

非常に残念なことですが、ニューバランスでは名作M996がディスコンの復活した例もありますので気長にまってみるのも手かと思います。

また、現在のラインナップでは同社を代表する名作であるM576とM1300が、M1400と同じクラシックデザインに同じSL-2ラストを採用していますのでこちらもおススメです。

私の所有するニューバランスのM1400(New Balance M1400)のご紹介

基本情報

Model Deta
Brand:Newbalance
Model:M1400SB
Size:26.5cm(US8.5Ⅾ)

私のM1400はこのモデルを代表するカラーである、スチールブルー(SB)のモデルになります。

ニューバランスではグレーとネイビーが定番色として用いられることが多いですが、M1400ではこの独特な青みがかったグレーが採用されておりこれがお気に入りな点となっています。

アッパーの素材は上質なピッグスキンスエードとメッシュのコンビであり、これも同社の定番な素材使いかと思います。

また、シュータンにもあるようにアメリカ製であり、素材だけでなく作りもスニーカーとしては非常に良いと思います。

M1400は舗装路でのランニング用と謳われていますが、前述のオフロードランニング用の名作M576にも少し似たパターンになっています。

私のM1400は使用期間も長くソールや履き口は大分やれてきていますが、アッパーは細目に手入れしていたこともありまだまだ履けそうです。



履き心地について

履き心地については非常に柔らかく、アッパーがスエードなこともあり足全体をクッションで包まれているような感覚を受けます。

ただ、足が勝手に前に出るような心地の良さではなく、前述の通り柔らかく包まれるような心地よさでので特別歩きやすいといった感覚ではありません。

(距離を歩く際にとても疲れにくいことは間違いありませんが、歩行のサポートをしてくれるわけではないと思います。)

この柔らかさは、スニーカーには珍しい袋縫い構造(マッケイ縫い)が採用されている点も大きいと思います。

また、クッション性は比較的高いですが現代のナイキなどの弾むようなクッション性とは異なり、柔らかさの延長線上にあるクッション性です。

総じて素晴らしい履き心地であり、クラシックデザインのスニーカーとしては最高レベルの履き心地であると思います。

サイズについて

サイズは26.5cm(US8.5)のワイズⅮで全くキツさを感じることないサイズ感です。

ただ、革靴を好む私としては、柔らかすぎて正しいサイズ感か不安を覚えるところもありました。

しかし、最近ニューバランスの店舗にて足のサイズを測って頂いたところ、私の足は26.5cmのワイズE〜EEであるとのことでした。

サイズを下げて26cmでは長さが足りないとのことでしたので、幅広なM1400なのでこのサイズ感でよかったのかと思います。

また、個人的な意見にはなりますが、この靴はシュータンの穴に紐を通すか否かで非常に履き心地が変わると思います。

購入当初はシュータンに紐を通さずに履いていたのですが途中よりシュータンに紐を通すようになり、その結果上記の不安感が消えて安定感が増したように思います。

(履き心地は個人の好みでありあくまで私の好みです。)

ニューバランス最大の弱点である加水分解について

ニューバランスの多くのスニーカーに存在する問題として、経年によるミッドソールの加水分解があります。

この加水分解はミッドソールにポリウレタンを使用していることによるもので、M1400ではENCAPと呼ばれるポリウレタンを使用したミッドソールを使用しているため加水分解の恐れがあります。

加水分解は保管状態にも依存するところもありますが、私のM1400はまだ加水分解の兆候は見られません。

また、加水分解を起こしたとしても前述の通り、M1400は日本ニューバランスでのソール交換が受けられるので安心です。

(ただ、M1400がディスコンになっているので、いつまでソール交換が行われるかという不安はあります。)

最後に

ここまでご紹介してきたようにニューバランスのM1400は、最高レベルの履き心地とクラシックなデザインが融合した傑作であると思います。

また、他のアメリカ製やイギリス製のニューバランスに共通することとして、アッパーにはスエードなど長く愛せる素材を使用し、ソール交換をしながら長く愛用できるという点も非常に大きな魅力かと思います。

残念ながらM1400はディスコンになってしまいましたが、現在でもM1400と同様に素晴らしいモデルが展開されていますので、是非ともお気に入りの一足を見つけて頂ければと思います。

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