先日バイク用にずっと欲しかったブーツを購入したので、今回ご紹介させて頂きたいと思います。
バイク用ブーツと言っても専用のものではなく、バイクに乗らない時にも使用できるものということで通常のワークブーツメーカーのものを購入しました。
そのブーツは、エンジニアブーツの大定番であるチペワの11インチエンジニアブーツです。
アメリカの大定番ワークブーツメーカーであるチペワ(CHIPPEWA)とその代名詞であるエンジニアブーツについて
アメリカの老舗ワークブーツメーカーであるチペワについて
チペワは1901年にアメリカのウィスコンシン州のチペワフォールズにて創業した、グッドイヤーウェルテッド製法を得意とする老舗ワークブーツメーカーです。
社名は創業の地であるチペワフォールズはネイティブアメリカンのチペワ族の住む土地であり、そのことからチペワのロゴにはネイティブアメリカンの横顔が採用されています。
当時、チペワフィールド周辺では製紙業が盛んであり、その原料となる木材の伐採も盛んに行われていました。
そのため、チペワは木材の伐採に従事する人々の足を保護するワークブーツの製造を目的に靴作りをスタートします。
チペワのブーツはその作りのよさから瞬く間に話題となり、チペワも創業から10年ほどで飛躍的に成長を遂げます。
また、その評判から模倣品も増えたことから、1914年には「オリジナル」チペワという名称を商標登録して使用し始めます。
そして、チペワはその高い技術力から二度の世界大戦においてもアメリカ軍に大量ブーツを供給し、その評価をより高めていきます。
その後もチペワは、アメリカを代表するブーツメーカーとして、軍や寒冷地などの過酷な用途へ向けたブーツを開発し続け現在に至ります。
また、チペワのブーツのほとんどは現在もアメリカ国内で職人の手によって製造されており、その製品にはHand Craft in USAの文字が刻まれています。
チペワの代名詞である11インチエンジニアブーツについて
今回ご紹介する11インチエンジニアブーツはチペワを代表するブーツであると共に、エンジニアブーツというブーツの代表モデルでもあります。
また、チペワは販売していた乗馬用のイングリッシュライディングブーツがエンジニアブーツの起源とする説もあり、エンジニアブーツの大定番として確固たる地位を確立しています。
(キングオブエンジニアブーツとして名高いウエスコのものが起源とする説もあります。)
引用;https://www.britannica.com/topic/The-Wild-One
さらには、メンズファッションに多大な影響を与えた映画「乱暴者(The Wild One)」で、主演のマーロン・ブロンドが着用したのがこのチペワのエンジニアブーツであったことも有名な逸話です。
(この映画のライダースジャケットにジーンズ、そしてエンジニアブーツというブロンドの出で立ちは、イギリスの「ロッカーズ」など多くのファッションカルチャーに影響を与えることとなります。)
私の所有するチペワの11インチ スティールトゥ エンジニアブーツ(CHIPPEWA STEEL TOE ENGINEER 1901M03)のご紹介
基本情報
Brand:CHIPPEWA
Model:11 inch STEEL TOE ENGINEER 1901M03
Size:US8.0E
Made in USA
私が今回購入したのはチペワの中でも最もスタンダードな、11インチのエンジニアブーツになります。
(チペワには定番としてショートタイプのエンジニアブーツや、ウェルトもブラックになったオールブラック仕様のモデルなどがあります。)
仕様としては黒のオイルドレザーのアッパーにビブラム製(VIBRAM #705 )のソール、トゥにはSTM(米国材料試験協会)の規格を満たすスチールトゥといった正に王道のエンジニアブーツです。
余談ですがこのVIBRAM #705は比較的薄いソールであり、ワークブーツらしさがありながらバイクの運転がしやすいソールとしても有名なものです。
デザインとしてはエンジニアブーツの中でもスタイリッシュであり、前述のウエスコなどと比べると華奢な印象です。
しかし、堅牢なグッドイヤーウェルテッド製法で作られており、その雰囲気は本物のワークブーツ(安全靴?)そのものです。
また、バイクでのハードな使用を予定しているので、今回はミンクオイルによるオイルアップでプレメンテを行いました。
サイズ感(サイズ選び)について
エンジニアブーツなどの紐なしの靴はサイズ選び非常に難しく、紐がない分きつめのサイズを選ぶ必要があります。
私はUS8.0でワイズEを選んでおり、現状歩く度に少し踵が浮くといったサイズ感です。
しかし、長さはこれ以上落とすと捨て寸がなくなり、幅も若干小指が当たるといった形なので、このブーツに関してはこのフィッテイングが限界であると感じています。
現状まだ履き始めで甲のストラップをきつく締めてはいないので、今後馴染み次第フィッテイングが変わってくる可能性もあります。
また、以前試着したレッドウイングの2268と比較すると甲周りが広く作られているようで、脱ぎ履きもしやすく感じたのでその影響もあるかもしれません。
とは言ったものの、エンジニアブーツは長靴の延長線上なので、踵が浮く程度のフィッテイングが普通といった意見もあるようなので、このまま履き込んでいきたいと思います。
バイク用ブーツとしてのエンジニアブーツ
エンジニアブーツは伝統的にスチールトゥが事故の際の保護になる点、靴紐がなくタイヤやチェーンに巻き込む恐れがない点などからバイク用ブーツに用いられてきました。
しかし、現在ではバイク専用に開発された高性能なバイクブーツが多数存在しており、エンジニアブーツは「比較的」バイクに向いた靴でしかないのが現状かと思います。
購入してから間もないため長期のツーリングなどでは使用できていませんが、やはりこのブーツに関してもバイクの運転については可もなく不可もなくといった感想です。
特にヒールが大きいのでヒールをバイクのステップに乗せると操作に違和感があり、基本的には土踏まずをステップに乗せるような形になるかと思います。
しかし、バイクに乗る以上格好を付けたい気持ちもあるので、機能性と見た目のバランスとしては最高であると感じています。
(もちろん、安全を損なうようなものはNGであると思っております。)
過去に試着したレッドウイングのエンジニアブーツ2268との比較
その価格帯からレッドウイングの定番エンジニアブーツである2268と比較されることも多いかと思いますが、そちらと比べても革質も柔らかく履きやすい印象です。
逆に言えば、より革が厚く丈夫なのはレッドウイングの2268であるとも言えます。
(履き始めですがチペワの革が薄くもろい訳ではありません。)
また、前述の通り甲周りはチペワの方が広く脱ぎ履きがしやすい印象ですが、レッドウイングの方がフィット感が強いとも言うことが出来ます。
個人的にはエンジニアブーツ=チペワのイメージが昔からあったことと、よりスタイリッシュなデザインからチペワを選びました。
余談ですが、レッドウイングにはヴィンテージで人気の茶芯時代の2268を復刻した、9268というモデルもあります。
デザインも当時の2268ものを再現しており、シャフトも細くベルトの位置もより低く変更されていたりとかなりスタイリッシュなデザインとなっています。
こちらも試着したのですが、甲が低すぎてサイズをかなり上げないと足が入らず、さらにはシャフトが細すぎてふくらはぎが入らなかったので完全に無理でした。笑
(物としては非常にかっこいいので、興味のある方は挑戦してみて下さい。)
また、バイクでの使用を踏まえると9268のような革よりも、現行の2268やチペワのようなクロム鞣しの革の方が向いているかとも思います。
最後に
実はこのブーツは大学生の頃、バイクを購入した当初からずっと欲しかったものであり、回りまわって今回購入することになりました。
やはり当時の気持ちから変わらず、このエンジニアブーツの男らしいスタイルにはどこかしら心が躍るものがあります。
まだまだ、皺も少なくシャフトも立っていますが、これからガンガン履き込んでクタクタにしていきたいと思います!
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