アロハシャツと言えばハワイを始めとする南国をイメージさせる服であり、そのデザインも南国をソースとしたものが多くなっています。
そして、その独特な柄からアクの強い服である印象を受ける方も多く、中々手を出しにくい服となっているように思います。
しかし、アロハシャツは日本人に非常に所縁のある服であり、サイズ感を選べばカジュアルだけでなくトラッドな印象を与える事も出来る汎用性を持っています。
今回はそんなアロハシャツについてご紹介していきたいと思います。
アロハシャツの魅力について
アロハシャツの歴史(諸説あり)
前述のとおりアロハシャツは我々と非常に縁のある服で、その起源は日本の着物にあると言われています。
ご存知の方も多いかと思いますが、明治時代に日本の国策により多くの方々がハワイへ移民として移住されています。
その日系移民の方々が農作業時などに労動着として着用していた開襟シャツであり、この開襟シャツを日本から持参した反物で作ったのがアロハシャツの原型と言われています。
(アロハシャツの定番デザインとして和柄があるのは、この出自に由来しているものと思います。)
そして、時が過ぎるごとにその柄はハワイの土着の物へと変わっていき、素材も絹織物からレーヨン製やコットン製のものへと変化していきます。
また、30年代になるとハワイのリゾート化が進み、アロハシャツにはハワイを訪れた人々のお土産としての需要が生まれます。
50年代になるとハワイにおけるアロハシャツ産業は非常に大きな位置を占めるようになり、ハワイにおいてアロハシャツはなくてはならないものとなっていきます。
そして、アロハシャツはハワイにおいてはビジネスや結婚式で着用される、フォーマルウェアとしての役割を担うようになっていきます。
アロハシャツの種類と着こなしについて
多くの方にとってアロハシャツと聞くとカラフルな柄が入っており、大きめのサイジングでカジュアルに着るようなイメージがあるかと思います。
しかし、白抜きで柄が入っているものなど、アロハシャツにはハワイにおけるフォーマルシーンで用いられるような落ち着いたデザインの物もあります。
これらは、ジャストサイズで着こなす事で季節感と個性を取り入れながら、トラッドな印象を与えることができるので非常に重宝します。
特に、後述するレインスプーナーやカハラといったリバースプリント(染色した生地の裏側をシャツの表地に使用する)のアロハシャツは柄が主張せず、より落ち着いた印象となります。
アロハシャツのおすすめブランドとモデル紹介
その①アロハシャツの王道レインスプーナー(reyn spooner)
引用;https://www.astyle.jp/disp/CSfSpeDispListPage.jsp?dispNo=020001129
レインスプーナーはアロハシャツの代名詞とも言えるブランドであり、上記のようにビジネスシーンでも着られるようなアロハシャツを製造することで有名です。
その特徴は、上記のリバースプリントとスプーナークロスと呼ばれるコットンとポリエステルを混紡したオリジナル生地にあると思います。
スプーナークロスは着はじめは独特のハリがありドレスシャツのような質感ですが、着込むと色褪せて独特な風合いとなっていきます。
また、レインスプーナーは保有する柄のパターンの多さでも知られており、その種類は2000種類にも及びます。
そのためシーズンごとにモデルの入れ替えも激しく、ハワイを訪れた際にお気に入りの柄を探す方も多いそうです。
また、ビジネスシーンで着用されることを前提としていることもあり、ボタンダウン仕様のシャツを多く展開していることも特徴と言えるでしょう。
フィッテイングについては、昔ながらのボックスシルエットのクラシックフィットと細身のモダンフィットの2種類の展開を行なっています。
レインスプーナーの定番ラハイナセーラー
このラハイナセーラーはレインスプーナーを代表するモデルであり、ハワイの州旗、州花、州鳥、州木がブロック状にプリントされています。
総柄ですがスプーナークロスのハリとリバーズプリントにより、落ち着いた印象にまとまっています。
サイズは171cm、65kgの標準体系でXSを選んでおり、ジャストサイズと言った形になります(クラシックフィット)。
このシャツは上で述べたように非常に落ち着いているので、ホワイトスニーカーやローファーなどに合わせたトラッド&クリーンな着こなしが非常におすすめです。
また、ラハイナセーラーにはよりオーセンティックなプルオーバーのモデルもあり、こちらもまた非常に魅力的です。
余談ですが、レインスプーナーは近年生産をハワイからアジアに変更しており、私の所有するラハイナセーラーはハワイ製の最終モデルになります(本当にたまたま購入することが出来ました)。
しかし、アジア製と言っても大らかなハワイ製と比べるとむしろ縫製などは綺麗な面もあり、以前魅力的な製品であることは変わらないかと思います。
その②オーセンティックアロハの代表格カハラ(KAHARA)
引用;http://jp.waikikibeachwalk.com/Shops/Apparel-Shoes/KAHALA.htm
カハラは日本での知名度はレインスプーナーに及びませんが、ハワイにおいてレインスプーナーと並ぶほどに人気のある老舗ブランドになります。
こちらもリバースプリントが得意ですが、生地に用いられるのはハリのあるコットン製のものが多いです。
また、サーフィンの神様と言われるデューク・カハナモクとも関わりが深く、ビジネスシーンだけでなくサーフシーンにも多く用いられる点が特徴的です。
カハラもクラシックフィットとモダンフィットの2種類のフィットがありますが、クラシックフィットに関してはレインスプーナーのクラシックフィットよりもゆったりとしたフィッテイングになっています。
また、生産はハワイ製のものとマレーシア製のものがありますが、定番柄など多くのモデルが未だハワイ製なのも大きな魅力であるかと思います。
カハラの定番デュークスパレオ
このデュークスパレオはその名の通り、サーフィンの神様デューク・カハナモクと関わりの深い柄であり、カハラを代表するモデルです。
サイズはラハイナセーラーと同様にXSを選んでおり、身幅・着丈共にジャストですが袖がラハイナセーラーよりも長く、大きめなフィッティングに感じます(クラシックフィット)。
仕様としては、コットン100%の生地にリバースプリントが施されており、ラハイナセーラー同様落ち着いた印象を受けます。
しかし、スタンドカラーである点やボタンがココナッツ製である点、フィッティングがややゆったり目な点からラハイナセーラーに比べるとリラックス感もあるように思います。
個人的には王道のアメカジスタイルや、レザーサンダルなどを合わせたリゾートスタイルなどで着こなすのがおすすめです。
カハラは日本では中々目にすることのないブランドですが、落ち着いている中にもハワイらしさを感じるモデルが多いので非常におすすめです。
その③ラグジュアリーなトリ・リチャード(Tori Richard)
引用;https://www.alamoanacenter.com/ja/directory/tori-richard-3337.html
トリ・リチャードは、リゾートファッションとしてヨーロッパなどでも人気なブランドです。
こちらもハワイにおけるフォーマルなシーンで着用されることが多いブランドですが、上記2ブランドと比べるとよりラグジュラリーな印象を受けます。
また、ハンドペイントを元にしたデザインが多く、レトロな印象があるもの特徴かと思います。
使用される生地はコットンローンと呼ばれる独自のコットンであり、番手が高く絹のようなブロード感があるのが特徴です。
生産もハワイ製にこだわられており、品質も安定している様に感じます。
フィッティングは昔ながらのレギュラーフィットと細身のオレンジレーベルの2種類がありますが、どちらも一般的なアロハシャツよりも細身であるように思います。
また、女性用のムームーやドレスなどの展開も豊富なので、ペアでの着用もおすすめです。
トリ・リチャードの定番ボートデイ
このボートデイはトリ・リチャードの定番モデルの1つであり、30〜40年代にアメリカ〜ハワイ間を就航していた豪華客船であるマトソンラインのポスターのデザインが用いられています。
そのデザインは当時のワイキキビーチの様子が描かれており、カラフルな総柄の中にもレトロなシックさを印象を受けます。
一方で、同社のコットンローンにブロード感がある上、ボタンはマザーオブパール製であり上品さも感じる仕様となっています。
購入時にはレギュラーフィットモデルの展開がなかったため、オレンジレーベルを購入しておりサイズはSサイズを選択しています。
フィッティングとしてはジャストですが襟が小さく袖も非常に短いため、ラグジュアリー感が強く出る様な気がします。
パナマハットを合わせる様なリゾートスタイルや、ボーリングシャツの様に少しルードに着こなすのがおすすめかと思います。
また、そのデザイン製だけでなく着心地が本当に柔らかく気持ちがよいため、そういった点でもおすすめの1枚です。
最後に
最初にも述べた通り、アロハシャツは一般的に思われているよりも懐が深く汎用性の高い服であると思います。
そして、普段のTシャツや半袖シャツとは異なり、少し気分を盛り上げてくれる様な効果もあるように思います。
長々とアロハシャツについて語って来ましたが、アロハシャツの魅力が少しでも皆様に伝わると幸いです。
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