今回ご紹介するのは、世界で最も愛されるスニーカーの一つである、アディダスのスタンスミスになります。
私にとっては高校生の頃から愛用している靴であり、非常に思い入れのあるアイテムでもあります。
そんな、定番中の定番スニーカーについて、今回は熱く語っていきたいと思います。
アディダスのスタンスミス誕生とその歴史について
スタンスミスの誕生
今日世界中で愛されるスタンスミスは、1965年に発売された「ハイレット」というテニスシューズがその原型となっています。
ハイレットはフランス人テニスプレイヤーであるロバート・ハイレット氏のシグネチャーモデルとして誕生しました。
当時このモデルはアディダスにおけるテニスシューズのフラッグシップであり、多くのプレイヤーに提供されていました。
その中でも70年代に輝かしい成績を残したのがアメリカ人テニスプレイヤーであるスタン・スミス氏であり、アディダスはハイレットの広告塔として氏と契約します。
その後、ハイレットはスタンスミスのネームがプリントされ、名称が「ハイレット・スミス」や「スタンスミス・ハイレット」へと変更になります。
この最初期のハイレット・スミスには現在とは異なり、口髭の生えたスミス氏の似顔絵とハイレットの文字がプリントされており、ヴィンテージ通の間で愛されるモデルとなっています。
そして、1977年にハイレットの名前が取れ「スタンスミス」という名前になりますが、ベロの似顔絵は口髭のスミス氏のままでした。
1978年から現在のスミス氏の似顔絵へと変更になり、現在のスタンスミスとほぼ同じ仕様となります。
その後、スタンスミスは世界中で大定番のスニーカーとして愛され続け、現在では最も売れたスニーカーとしてギネス記録に登録されました。
スタンスミスが市場から消えた!?
ご存じの方も多いかと思いますが、こんなにも愛されたスニーカーであるスタンスミスが一時期アディダスのラインナップから消えたことがあります。
それは2012年〜2014年の間の出来事であり、いつでも買える定番が無くなる衝撃は非常に大きい物でした。
まぁ大方の予想通り一時的な販売停止ではありましたが、私は一年ほどスタンスミス難民になり焦りました。笑
そして、案の定2014年に待望の復活を遂げます。
この際に、新しいファン層の獲得にも成功し、スタンスミスブームが巻き起こったのは記憶に新しい方もいらっしゃるかと思います。
(この辺の販売戦略のうまさがアディダスが巨大企業である所以なのでしょう。)
二種類のスタンスミスについて
スタンスミスには様々な種類がありますが、アディダスの直営が展開するモデル(D品番やS品番など)とABCマート限定モデル(通称M品番)の二種類に分けることができます。
基本的にはM品番はアメリカで展開していたスタンスミスの廉価モデルが元になっており、現在もD品番やS品番の廉価版としての位置付けとなっています。
通称M品番の外観
引用;https://img.abc-mart.net/img/goods/4/52691900014.jpg
外観の違いとしては、M品番ではシュータンにパッドが入っている点、ソールが日焼け色ではなく真っ白である点が挙げられます。
また、同じスムースレザーのアッパーで比較した場合、M品番の方が廉価な革を使用しているらしく、柔らかくブヨブヨとした感じがします。
私の所有するS品番のアッパーにはしっとりとした柔らかさがありながら、ハリがあり吸い付くような履き心地です。
他の違いとしては、M品番のヒールカウンターは合成皮革であり、D品番やS品番は革の違いはあれど天然皮革が用いられています。
これらの違いはありますが、5000円以上の価格差もありますので単純なワードローブとしてはM品番の方がコスパがいいのかもしれません。
しかし、個人的には直営モデルの方が高級感を感じますし、定番として長く履くならやはこちらかなと思います。
(このサイトの趣旨的にもやはり直営モデルがおススメです…。笑)
ただし、M品番のものも決して悪いものではないので、ファッション入門や普段履き用などなら全然アリだと思います。
私の所有するスタンスミスのご紹介
基本情報
Brand:adidas
Model:STAN SMITH
Size:26.5cm
今回ご紹介するモデルはスタンスミスで最も定番のカラーであろう、本体が白でパーツが緑のモデルになります。
また、モデルとしてはS品番と呼ばれるアディダスの展開する正規の復刻モデルになります。
現在の生産国はかつてのフランスではなく、アジア生産となっています。
スタンスミスの基本的な仕様について
今更ではありますが、スタンスミスのデザイン上の特徴もご紹介していきたいと思います。
まずは、象徴的なのがシュータンにプリントされたスタンスミス氏の顔ですね。
スタンスミスの歴史の方でも触れましたが変遷を経て今の形となり、スタンスミスのアイコンとし定着しています。
そして、もう一つのアイコンになっているのが、ヒールパッチのトレフォイルロゴです。
これら二つのパーツはスタンスミスのカラーを決める要素となっており、本体の色とこれらのパーツの色でモデルが別れています。
(基本的には本体白に対して、パーツの色が変わる形が多いです。)
また、本体部の最大特徴としては、サイドのパンチングによって表現されるアディダスお馴染みの三本線があります。
これによって、通気性を向上させるという機能性に加えて、シンプルなデザインの中にアクセント加えることに成功しています。
これが、通常のアディダスに用いられるような三本線のロゴであったら、現在のようなシンプルでクリーンな印象にはならず、ここまでの人気にはならなかったと思います。
このモデルは前述の通りS品番であり、アッパーにはソフトレザーが用いられています。
このレザーは自然な皺が入っているため個体差が大きく、購入する際には実際に目で見て選ぶことをおススメします。
シーズンによっては樹脂加工を施したガラスレザーや、型押しのレザーが用いられているもモデルもあります。
ソールは日焼け色と呼ばれるクリームがかった白で、この色が靴全体の佇まいを引き締めてくれているように思います。
性能としても、テニスシューズを元にしているだけあってグリップ力があり、軽い運動程度なら問題なく対応できそうです。
サイズ感について
サイズについては26.5cmでジャストサイズです。基本的にアディダスのスニーカーは昔から26.5cmがジャストで履ける場合が多いです。
(木型はそれぞれ違うはずですが。)
また、比較的クッション性のあるインソールがセットされており、アッパーのレザーも柔らかいので紳士靴よりはサイズの許容幅も広いような気がします。
履き心地に関してもしっかりとしたインソールと良く馴染むアッパーのお陰で、ローテクスニーカーの中では快適なものとなっています。
スタンスミスの手入れついて
クリーンな見た目がスタンスミスの持ち味なので、これを保つことが非常に重要になってきます。
アッパーには様々なバリエーションがありますが、スームースレザーのモデルであれば基本的には紳士靴と同じような扱いでOKです。
基本的には、
①履いた後にはブラッシング
②月1程度の頻度でクリーナーで汚れの除去
③無色の乳化性クリームで保湿・保革
の三点を行なっていれば汚れも目立たず、長く使うことができると思います。
私のスタンスミスは3年弱の使用になりますが、上記の方法で手入れをしているため汚れも少なく、白さを保てているかと思います。
また、ソールもクリーナーで拭き取ったり、消しゴムを使用することである程度汚れを落とすことができるのでオススメです。
革靴の手入れについてはこちらで詳しく記述しています⇒【基本編】革靴の磨き方【その①】
最後に
世界中で愛されるスタンスミスですが、その魅力はどんな着こなしにも溶け込みクリーンな印象を与える点であると思います。
そして、シンプルさの中にも上質さを感じさせる点は、スニーカーの中では稀有な存在であると思います。
ブームが落ち着きつつある今こそ自分の定番、相棒としてワードローブに取り入れることをオススメしたい一品です。
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