今回はビーンブーツやボートアンドトートなど、数あるL.L.BEANの名品の中の一つをご紹介したいと思います。
それは、意外とありそうでない無地のフランネルシャツの大定番であるシャミークロスシャツです。
また、ビーンブーツやボートアンドトートではボリュームが多すぎてご紹介出来なかったL.L.BEANとその最大の特徴でもある「100%満足保証」についてもご紹介したいと思います。
アメリカのアウトドアスタイルを体現するL.L.BEANと「100%満足保証」について
アメリカを代表する老舗アウトドアブランドであるL.L.BEANの歴史について
引用;https://www.llbean.co.jp/mens/
L.L.BEANの歴史は1911年、創業者であるレオン・レオンウッド・ビーン氏が、メイン・ハンティング・シューズ(後のビーンブーツ)を発明することによりスタートします。
ビーン氏は地元のメイン州でハンティングなどを行うアウトドアマンであり、その経験からアウトドアでも使用できる新しい防水靴の需要を感じていました。
当時の防水靴はゴム製のものがほとんどであり、ハンティングなどの激しく動くような環境下ではフィット感や安定性が不足していました。
ビーン氏は完全防水のゴム底に、紐でフィット感を高められる革のアッパーを縫い付けるという形でこの問題を解決します。
その靴こそがメイン・ハンティング・シューズ(以下、ビーンブーツ)であり、この完全防水の靴はメイン州の多くのハンターから大きな評価を得ることに成功します。
ビーンブーツの開発から1年後の1912年、ビーン氏はメイン州外のハンターへ向けて、ビーンブーツのカタログを送付を開始します。
このビーンブーツの機能性は徐々に全米のアウトドア愛好者の間で話題になり、L.L.BEANは徐々にその事業を拡大していきます。
1923年にはウェアやスポーツギアがカタログが加わり、アメリカを代表する総合アウトドアブランドへと成長していきます。
その顧客にはアメリカ大統領と始めとして、作家のアーネスト・ヘミングウェイ氏やMLBのベーブ・ルース氏など当時の著名人も名を連ねていました。
その後、L.L.BEANはビーンブーツ以外にも様々なヒット商品を開発し、創業から100年を超える現在でもアメリカを代表するアウトドアブランドとして多くの人に愛され続けています。
L.L.BEAN最大の特徴とも言える100%満足保証について
L.L.BEANの特色として創業当初より顧客の「100%満足保証」を掲げている点が挙げられます。
その一環として、商品に満足が出来なかった場合は購入後一年以内であれば、使用していていても返品・返金が可能となっています(購入時のレシートが必要)。
また、カスタマーサポートも非常に充実しており、サイズ選びから商品選びに至るまで親身に相談に乗ってくれます。
これは、ネットショップでの購入にも適応されており、電話や店舗問わず丁寧な対応が受けることができます。
この思想はビーンブーツを初めて販売した際に、販売した100足中90足でアッパーとソール剥がれの不具合があったという失敗から生まれたものだそうです。
個人的には創業から100年が経過した現在でも、原点を忘れず続いている点が企業として非常に素晴らしいと思います。
L.L.BEANのを代表するトップスであるシャミークロスシャツとは
L.L.BEANのシャミークロスシャツの歴史と特徴について
シャミークロスシャツは、1927年にレザートレットシャツという名称でカタログに紹介されて以来、同社の大定番となっているネルシャツです。
L.L.BEANの創業者であるビーン氏は、製品化の二年前からハンティングなどに用いることでその性能をテストしていたそうです。
そして、同氏はこのシャツは長く着こむことでシャミーレザーのような質感になるということに気付きます。
このレザートレットシャツはその優れた性能から販売後間もなくベストセラーになり、消費者から親しみを込めて「ビーンシャツ」愛称で呼ばれるようになります。
1931年には先述の理由からは現在と同様にシャミークロスシャツと名前を変え、現在に至るまで同社の大定番品として90年以上も愛され続けています。
その作りは非常に耐久性が高く着るほどに良くなっていくと言われており、その頑丈な作りから古着などでも多く出回っています。
また、近年では他のメーカーの例に漏れず生産国をアメリカ国外に移してはいるものの、その頑丈さは変わらないどころかボタンの強度やスティッチなど細かなところを改良を続けています。
フランネル生地にはポルトガルの生地メーカーと共同開発したオリジナルのものが用いられており、職人の手によって起毛が施されています。
現行の二種類のシャミークロスシャツについて
現在のL.L.BEANでは、通常ラインとやや高級なSIGNATUREラインのそれぞれでシャミークロスシャツを展開しています。
SIGNATUREラインは往年のL.L.BEANの定番品を現代的にリデザインしたラインであり、ラルフローレンなどのデザイナー等を経験した方が手掛けていることも有名です。
これらの今回シャミークロスシャツを購入するのにあたって、両ラインのものを着比べましたので簡単にレポートさせて頂きます(サイズは共に最小サイズのSについてです)。
まず通常ラインの方はボックスシルエットの昔ながらのアメリカンフィットであり、着丈も長くアウターのようなサイズ感です。
一方でSIGNATUREラインのものは現在のラルフローレンのようなすっきりとしたフィットであり、着丈なども含めて非常に合わせやすそうなサイズ感です。
また、生地についてはどちらも厚手でしっかりとしていますが、通常ラインのものの方が未洗いなのかよりガッシリとした質感です。
余談ですが元々上位ラインという位置づけのため、SIGNATUREラインのシャミークロスシャツの方が1500円ほど高価です。
今回定番のシャミークロスシャツを着てみたかったため通常ラインのものを購入しましたが、正直なところ普通に着るならばSIGNATUREラインの方がおすすめできるかと思います。
その理由は後述の【サイズ感について】の中で、述べさせて頂きたいと思います。
私の所有するL.L.BEANのシャミークロスシャツのご紹介
基本情報
Brand:L.L.BEAN
Model:Chamois Cloth Shirt
Color:Charcoal Gray Heather
Size:S(Regular)
外観としては起毛が施された無地のフランネルシャツであり、非常なシンプルなアイテムであると感じます。
しかし、無地のフランネルシャツを定番として展開しているブランドは少なく、フィルソンのマッキーノクルーザーなど柄物のアウターと合わせる際に非常に重宝しそうです。
また、生地はこれまで述べてきたように厚手で非常にしっかりとしたもの用いられており、秋口などはシャツジャケットとしても使用できそうな保温性があります。
今回選んだのはグレーですがシャミークロスシャツは良い色が揃っており、何色か持っていると着こなしの幅が広がりそうです。
また、シャミークロスシャツに限らず、L.L.BEANでは定番品を含む全商品の25%オフセールを実施することがあるので、そのタイミングで購入すると非常にお得です。
サイズ感(サイズ選び)について
171cm、65kgのやや筋肉質な体系で先述の通り、展開されている中で最も小さいSサイズを購入しました。
しかし、現在のアメリカブランドではSサイズでジャストなことが多いのですが、このシャミークロスシャツ米国フィットのモデルであり、クラシックなアメリカンフィットなため非常に大きく感じます。
実際に上の写真を見て頂くと分かると思いますが身幅はまだしも着丈袖丈が長すぎて、シャツワンピもしくは彼シャツを着た女の子みたいになっています。笑
これは試着時点で分かっていたことなので、当ブログではそろそろお馴染み?な洗濯&乾燥機によって縮めるつもりで購入しました。
今回はしっかりと縮める必要があるため自宅の家庭用の乾燥機ではなく、コインランドリーの乾燥機の高温モードで一時間程しっかりと乾燥させました。
その結果が上の写真になります(襟が曲がっているのはご容赦下さい)。
洗濯&乾燥後は全体的に縮み、身幅や袖丈はややルーズからジャストにすることが出来ました。
また、生地も少し柔らかくなりくったりとした風合いが出たようにも感じます。
一方で、元々タックインで着ること前提であろう着丈は縮んでもなお長く、タックアウトで着るとやや野暮ったい長さであると思います。
コットン100%のため未洗いとはいえ、ウールの製品に比べると縮み率は小さいようです。
結果としては着れないサイズ感ではありませんが、正直なところ手間や時間をかけてこの結果ならばSIGNETUREラインのものを買った方がよかったと思います。
(好みにもよるかと思います。)
今後はシャツジャケットやインナーとして着用するとは思いますが、一枚で着て様になるのはSIGNATUREラインの方である気がします。
最後に
アメカジの大定番であり無地のネルシャツを代表する名品であるシャミークロスシャツですが、古着そのままといったサイズ感でありやや扱いは難しく感じました。
やはり、純正でリサイズがなされているのには理由があったと痛感する結果にはなりましたが、こちらの定番品を着こなせる方はそれはそれで非常にかっこよいかと思います。
また、物としては非常に雰囲気のよいしっかりとしたものであり長く愛していけそうなので、私自身時間をかけてこのシャツとの付き合い方を考えていきたいと思います。
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