今回は今までとは気分を変えて、私の愛用している文房具をご紹介したいと思います。
紹介するのは筆記具の王様である万年筆、そしてその中でも象徴的なモデルであろうモンブランのマイスターシュテュック149です。
モンブランと銘品マイスターシュテュックについて
モンブランの歴史と現在について
モンブランの前身となるシンプロ・フィラー・ペン・カンパニーは、1908年ドイツで設立されました。
そして、1924年に同社の代表作となる万年筆マイシュターシュテュックを発表し、その品質の高さから一躍筆記具のトップブランドとなります。
アルプス山脈の一つモンブラン山
引用;https://www.nta.co.jp/media/tripa/articles/okPUG
当時からブランドイメージとして使用されている六角形の白いロゴは、ヨーロッパ最高峰の山であるモンブランが雪で覆われた姿を表しています。
そして、1934年にはこのモンブランの名前を社名へと取り入れ、現在に至ります。。
現在ではリシュモングループの参加となり筆記具だけでなく、革製品や機械式時計にも力を入れておりより多角的な展開がなされています。
万年筆の代名詞マイシュターシュテュック
マイシュターシュテュックは前述のとおり1924年に誕生したモンブランの代表作であり、今日の万年筆の象徴とも言える存在になります。
現在、マイシュターシュテュックはコレクション展開されており、149の他にも146(ル・グラン)、145(クラシック/ショパン)、114(モーツァルト)などがあります。
これらモデル名の数字は万年筆の全長(mm)を表しており、最も大きくフラッグシップと言えるのが今回ご紹介する149です。
このマイシュターシュテュック149は歴史も最も古く、多くの著名人に愛され、歴史上の重要な場面でも使用されてきた名品中の名品です。
私の所有するマイシュターシュテュック149のご紹介
基本情報
Brand:Monblanc
Model:Meisterstück 149
Nib Size:F(Fine)
万年筆と聞いて多くの人が思い浮かべる姿であろう、黒の外観に金のアクセントというデザインのオリジナルでもあります。
ペン先にはブランドロゴであるホワイトスターと、モンブラン山の標高である「4810」の文字が刻まれています。
また、キャップにも代名詞となるホワイトスターがあり、トリムやクリップ部分は金(もしくはプラチナ)でコーティングされています。
ボディにはプレシャスレジンという、モンブラン独自の天然樹脂が用いられています。
このプレシャスレジンは使うほどに手に馴染むと言われており、一般的な樹脂とは異なった質感となっています。
ペン先の素材はモデルや時代によっても異なりますが、現行の149では18金となっています。
インクの充填方式は現在では少なくなってきている、直接本体にインクを吸い上げる吸入式です。
(マイシュターシュテュックですとこの149と146のみが吸入式となります。)
携帯に関しては、モンブランのマイシュターシュテュックシリーズのペンケースを使用しています。
イタリア製で品質が良くモンブランの革製品に対するモノづくりの良さが感じられる一品ではあるのですが、値段が中々するので正直おススメとは言えないです…。
マイシュターシュテュック149の書き味について
往年のモンブランは非常にペン先が柔らかかったと聞きますが、私のモデルを含む近年のモデルでは硬めのペン先となっています(所謂ガチニブと言われるやつです)。
よく言われる特徴通り、インクフローは非常によく、ヌラヌラと出てくるインクで硬いペン先が滑り抵抗なく文字を書くことが可能です。
同様に硬いペン先といわれるプラチナのセンチュリー#3667では紙を削る様な書き味なので、インクフローの良さによる書き味とも言えると思います。
合わせるインクは基本的にはモンブランの定番のブルーブラックである、ミッドナイトブルーを使用しています。
また、最初は圧倒されがちなその太さですが、握ってみると安心感があり程よい脱力ができます。
(万年筆はボールペンなどと異なり、筆圧をかけずに書くことが好ましいです。)
巷で149が大量筆記に向くと言われるのは、こういったインクフローとペン先の特性、さらには多量インクを貯められる大きさからであると思われます。
また、実際に手にしてみて驚いたのが握った際の質感の良さです。
決して重い訳ではないのですが、密度が高いと言うか凄くしっかりとした握り心地がします。
正直、樹脂製のペンとは思えない価格で中々躊躇される方も多いと思いますが、実際に手に取ってみるとその独特の存在感に惚れてしまうことでしょう。笑
ペン先(ニブ)の太さについて
ニブの太さについてですが、多くの外国製の万年筆と同じく太めの設定です。
私が選んだのは二番目に細いFニブ(Fine)ですが、実際には国産万年筆で言うところのMニブ程の太さがあります。
実際に国産万年筆であるプラチナのセンチュリー♯3776(F)と比較するとその差が顕著です。
余談ですが画像から、センチュリー#3776もマイシュターシュテュックの影響を受けた万年筆であることがわかるかと思います。
(上がマイシュターシュテュック149、下がセンチュリー#3776)
また、149のような大柄な万年筆ですとインクフローが良くなる太めのニブで、大きな字を書くことに向くという話もよく聞きます。
私もニブの太さについては悩みましたが、Mニブ以上では、日本語には太すぎて日常では使い道が無いように感じて標準的なFニブを選びました。
(上の画像では5mm方眼に文字を書いてみましたが、これ以上画数が多い漢字ですと潰れてしましそうです。)
結果としては、Fニブでもその潤沢なインクフローは感じられていますし、使用用途的にも良かったと思っています。
最後に
万年筆はその存在感や美しさだけでなく、文字を書くという行為そのものに楽しさや快感を与えてくれる稀有な道具です。
私自身が悪筆で文字を書くことが好きではなかったのですが万年筆に触れ、実際に文字を書く習慣が身についたように思います。
そして、その中でも特別な一本であるマイシュターシュテュック149は、やはり例に漏れず五感を使って楽しめる素晴らしい物ですので一度は手に取ってみることをオススメしたいです。
最後にモンブランのリペアマイスターの小野妙信さんの名言を引用させて頂きたいと思います。
「お金があれば149、お金がなければお金貯めて149を買いなさい」
コメント
初めまして。
楽しく拝見致しました。
149素晴らしいですね‼️
私は146のFニブを使っております。
主に八ミリ罫線のノートに使用します。丁度良い加減ですね。
フローが潤沢な為、ロイヤルブルーインクがとても鮮やかに映ります。
三年過ぎた頃に一度オーバーホールに出しました、現在六年目ですが、とても快調です。149憧れますが、使いこなす自信がありません。
龍の尻尾 様
はじめまして。
コメント&嬉しいお言葉をありがとうございます。
146しかもFニブご愛用されているとのことで、
親近感が湧いてしまいます。笑
146もインクフローがよいようで、
色々言われますが現在のモンブランも設計思想は一貫していますね。
146も149も共に万年筆を代表する一本ですし、
「書く」ことを楽しみにさせてくれる銘品であろうと思います。
実は正直なところ私自身も149を使いこなせているとは言い切れず、
その存在感に満足を感じている部分もありますが…。
私の149も3年を超えたあたりなので、
オーバーホールやペン先調整を視野に入れつつ
万年筆を楽しみたいと思います。
龍の尻尾です。
二三年毎のメーカーでのメンテナンスは必須うかと思います。
多少コストは掛かりますが、コストに見合うだけの効果はありますね。
定期的なメンテナンスさえすれば常に快適に使える‼️
これがモンブランの醍醐味の一つではないでしょうか?
お久ぶりです!コメントありがとうございます。
やはり、体感できるほどの効果があるのですね…。
万年筆の性能を発揮させるためのランニングコストとして
メンテナンスは受けるべきなようですね!
ありがとうございます。
私のモンブランはやや書き味が気に入らない部分がありますので、
ペン先調整等も含めてやってしまおうかと思います。
より一層モンブランを楽しみたいと思います!
お久しぶりです。
149メンテナンスには出されましたか?
定期メンテナンスはそれなりのコストは掛かりますが、コストに見合うだけの効果は抜群です。
もしまだでしたら、是非お出し下さいませ。
内外装も新品のように磨き上げられて帰って来ますし、ピストンやニブの調子もかなり良くなりますよ‼️長い間放置するより、結局定期的なメンテナンスの方が安上がりになります。
お久しぶりです。
149ですがメンテナンスに出し、先日戻ってきました!
使用頻度が低かったこともあり、
インクフローなど大きく変わりませんでしたが、
ペン先の違和感を伝えたところ完璧な書き味になり戻ってきました。
ピストンの動きも滑らかになって感動しております。
やはり、良いものは手をかけてはじめて
本領を発揮してくれるものと改めて実感しますね。
情報を教えていただきありがとうございました!
早速メンテナンスされましたね。
決断力に拍手です。
良いものはきっちりメンテナンスすれば愛着も一層募りますよね‼️
149、末永く御愛用下さいませ。
龍の尻尾 様
メンテナンスに出すことで
改めて149の魅力にに気付くことが出来たように思います。
メンテナンスをおすすめしてくださり、
ありがとうございました。
間違いなく長く使用できるものだと思いますので、
これからも大切に愛用していきたいと思います!